ART SCRAMBLE アートスクランブル

FOREIGIN MATTER: ‘Sand in woman’(異物:’砂の女’)

南館せせらぎテラス

2023年3月28日(火)〜2024年3月初旬予定

‘Woman is simultaneously a representation, a spectacle per excellence, an image intended to fascinate, to attract the gaze, while still an enigma, the unrepresentable, that which a priori eludes the gaze. She is all surface, lacking any depth, and the unfathomable abyss.’
*Slavoj Zizek. The Indivisible Remainder: An Essay on Schelling and Related Matters, Femininity as masqueradeより

本作品はタイトルにも記されている通り、粒子径1mm 以下の砂の集合によって作られています。 固体でありながら流体でもある砂が、‘凝固され―掘り出され―積み上げられる’ ことで、眼前の彫刻として立ち現れます。
流動的なものを凝固させる。凝固した物体は固体と言えるでしょうか。いや、本質的にまだ流体のままなのでしょう。その上で、変質し固定されたイメージのなかに視える流動的なコアこそ本質だと、そう考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、自分を誇示したいわけではない私が自分のイメージを、膨大な工程をかけて作りながら思うのです。表象からその中身へ、中身から再び表象を構築した意思を彷徨う中で、砂でつくられた表象は装いや女性のフォルムを越えた’根源的な私’なのかもしれないと。

*本作品は、FES株式会社の協力によってCGモデリングデータを元に、砂型3Dプリンターの応用によって制作されています。

アーティスト

R E M A

2021 京都芸術大学 修士課程美術工芸領域映像メディア分野修了
2023 -「異物へ / 土色豚 選抜展その1 Into the Foreign Matter」(日本橋アナーキー文化センター・東京)
2022 -「写真は変成する2 BLeeDinG eDgE on PoST/pHotOgRapHy」(Garelie Aube・京都)キュレーター/多和田有希氏・後藤繁雄氏
2021 -「彼方はいつもさまよっている」(黄檗宗総本山萬福寺・京都)
2021 -「Down」(銀座SIX蔦屋書店・東京)
2021 - KUA ANNUAL 2021「irregular reports:いびつな報告群と希望の兆し」(東京都美術館・東京)キュレーター/服部浩之氏

華美で過剰なセルフイメージから社会のロールやジェンダーを考察する作品群を、様々なメディアを横断して作品を生み出してきた。
同時に、そのイメージは「女性性と影」ーーそしてそれらは予感と夢想が原動力となってーー抽象化され、線によるドローイングと焼き付けるという行為によって展開されている。
様々なマテリアルへと施されてゆくセルフイメージは、まるで元からそこにあった印のように現れ、見る者を原始的な異物の魅惑世界へと誘う。

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