エキシビジョン

exhibition

せせらぎテラス MAP
2022年3月25日(金)〜2023年3月初旬予定
せせらぎテラス
檜皮 一彦
Artist
檜皮 一彦
Kazuhiko Hiwa

大阪生まれ。《hiwadrome》なるコンセプトのもとに、身体性をテーマとした映像や自身も使用する車イスを用いたインスタレーション作品を制作する。またパブリックへの直接的な介入「play」を通して、様々な境界や関係性、アクセシビリティなどを問い直すパフォーマンスやプロジェクトも行っている。近年の展覧会に「Kanon:檜皮 一彦 + 檜皮 しよ子 (岡本太郎記念館 / 東京, 2020)」「水の波紋展2021 (旧港区立児童館 三角公園 / 東京, 2021)」「Drawing Experiment 01 (ワタリウム美術館 オンサンデーズ / 東京, 2021)」「Kyoto Art for Tomorrow 2022 (京都府京都文化博物館 / 京都, 2022)」などがある。

大阪生まれ。《hiwadrome》なるコンセプトのもとに、身体性をテーマとした映像や自身も使用する車イスを用いたインスタレーション作品を制作する。またパブリックへの直接的な介入「play」を通して、様々な境界や関係性、アクセシビリティなどを問い直すパフォーマンスやプロジェクトも行っている。近年の展覧会に「Kanon:檜皮 一彦 + 檜皮 しよ子 (岡本太郎記念館 / 東京, 2020)」「水の波紋展2021 (旧港区立児童館 三角公園 / 東京, 2021)」「Drawing Experiment 01 (ワタリウム美術館 オンサンデーズ / 東京, 2021)」「Kyoto Art for Tomorrow 2022 (京都府京都文化博物館 / 京都, 2022)」などがある。
artwork
hiwadrome typeΔ

自身も使用する車イスを用いた《hiwadrome》シリーズの一形態。より抽象度が高まったtypeΔは今作が初登場である。

制作協力:
川村義肢株式会社
株式会社GAYA PRODUCTS

北館 せせらぎのみち沿い壁面 MAP
2022年3月25日(金)〜2022年9月初旬
北館 せせらぎのみち沿い壁面
WHOLE9
Artist
WHOLE9
ホールナイン

大阪を拠点に国内外で活動する二人組のアーティストユニット。ライブペイントと壁画制作を得意とし、経験とセンスを活かしてハイクオリティな作品を作り上げてきた。人物や動物など具象的モチーフを描くhitchと、自然からのインスピレーションを抽象的に描くsimoにより、二人で1枚の世界を描く。一人では創れない作品を通じて、絵のある暮らしを日常にもたらし、気の合う仲間と日々を彩っていくライフスタイルを提案する。
https://whole9.jp/

大阪を拠点に国内外で活動する二人組のアーティストユニット。ライブペイントと壁画制作を得意とし、経験とセンスを活かしてハイクオリティな作品を作り上げてきた。人物や動物など具象的モチーフを描くhitchと、自然からのインスピレーションを抽象的に描くsimoにより、二人で1枚の世界を描く。一人では創れない作品を通じて、絵のある暮らしを日常にもたらし、気の合う仲間と日々を彩っていくライフスタイルを提案する。
https://whole9.jp/
artwork
Mobula

メキシコ・ロスカボスの海面をモブラ(イトマキエイ)が大群で跳ね、海と空の両方を飛ぶように泳ぐ映像を観ました。海と陸の境界はそれぞれの世界で生きる生き物にとっての分水嶺であり、生と死がスイッチする境界線です。映像ではそのボーダーを彼らがスイスイとたやすく越境しているようで、今の時勢もあってか新鮮に映り、今回の壁画の着想になりました。境界線のアチラもコチラもどこ吹く風、寝仏のように昼寝に堕ちる女性をモチーフに、リラックスして構える大切さを描きとめようと描いた作品です。

senekt
Artist
KENTA SENEKT
ケンタ・セネクト

京都生まれ。2007 年、即興表現の一つであるライブペイントを中心に制作活動を開始。徐々に内的要素を併せ持った壁画やタブローへとメディアを移行させ、近年はインスタレーションや立体といった表現領域まで幅を拡張させている。KENTA SENEKTは友情の親密性や、分離した思い出、それらを繋ぎとめるようなスナップ写真など、日々の心情や出来事を混ぜ合わせ、支持体に反映させている。それは意識と無意識といった性質の狭間で心的バランスを保持しながら、身体性と精神の解体を目指し描かれたものである。2013~2017年メルボルン、2018年ベルリンなど、海外での活動期間を経て、現在は大阪を拠点に活動している。主な個展に2016年「SPECTRUM」、2017年「EQUILIBRIUM」、(共にBACKWOODS GALLERY/メルボルン) がある。
https://www.instagram.com/kenta_senekt/

京都生まれ。2007 年、即興表現の一つであるライブペイントを中心に制作活動を開始。徐々に内的要素を併せ持った壁画やタブローへとメディアを移行させ、近年はインスタレーションや立体といった表現領域まで幅を拡張させている。KENTA SENEKTは友情の親密性や、分離した思い出、それらを繋ぎとめるようなスナップ写真など、日々の心情や出来事を混ぜ合わせ、支持体に反映させている。それは意識と無意識といった性質の狭間で心的バランスを保持しながら、身体性と精神の解体を目指し描かれたものである。2013~2017年メルボルン、2018年ベルリンなど、海外での活動期間を経て、現在は大阪を拠点に活動している。主な個展に2016年「SPECTRUM」、2017年「EQUILIBRIUM」、(共にBACKWOODS GALLERY/メルボルン) がある。
https://www.instagram.com/kenta_senekt/
artwork
Tiny desk

壁画制作や写真を撮ったりしていると街の中にある壁や景色を意識的に見るようになります。日常に溶け込みすぎて気付かなかった部分を発見できる事があり、そういった発見は、普通が少しスペシャルに感じる瞬間でもあるからです。様々な制限がある事が普通になっている今、日常に潜む景色の見方や、切り取り方、またそれに一手間加えてみると同じ景色も違ったものに見える楽しさがあるのではないでしょうか?そういった着想から今回はグランフロントにて撮影した写真を軸に制作いたしました。

プロジェクト・
ディレクター

project director

アートへの注目が集まり始めていますが、アートを支えるプラットフォームをアップデートしなければ、今のブームもまた一過性になってしまいます。グランフロント大阪アートスクランブルが取り組み始めたミューラル&スカルプチュアアーティストの作品を継続的に紹介するこのプログラムは、持続可能なアートワールドという土壌を改良して、豊かさをもたらすための取り組みです。加えて滋賀県日野町にあるブルーメの丘に展示終了したスカルプチュアの継続展示が決まり、この分野で若いアーティストが制作を続ける環境が誕生しました。ますます元気になる関西のアートシーンに是非ご注目ください。

TSUBAKI Noboru
Project Director
椿 昇
Noboru Tsubaki

コンテンポラリー・アーティスト、京都芸術大学教授。1989年全米を巡回したアゲインスト・ネーチャー展、1993年のベネチア・ビエンナーレに出品。2001年の横浜トリエンナーレでは、巨大なバッタのバルーン「インセクト・ワールド-飛蝗(バッタ)」を発表。2003年水戸芸術館。2009年京都国立近代美術館。2012年霧島アートの森(鹿児島)で個展。 2019年「パレルゴン」1980年代、90年代の日本の美術・Blum&Poe、LA・USA。2013年瀬戸内芸術祭「醤+坂手プロジェクト」、2016年小豆島未来プロジェクト、青森トリエンナーレ2017、ARTISTS’ FAIR KYOTOなどでディレクターを務める。芸術経営に関する講演や対談多数。
https://www.metapolice.net/

コンテンポラリー・アーティスト、京都芸術大学教授。1989年全米を巡回したアゲインスト・ネーチャー展、1993年のベネチア・ビエンナーレに出品。2001年の横浜トリエンナーレでは、巨大なバッタのバルーン「インセクト・ワールド-飛蝗(バッタ)」を発表。2003年水戸芸術館。2009年京都国立近代美術館。2012年霧島アートの森(鹿児島)で個展。 2019年「パレルゴン」1980年代、90年代の日本の美術・Blum&Poe、LA・USA。2013年瀬戸内芸術祭「醤+坂手プロジェクト」、2016年小豆島未来プロジェクト、青森トリエンナーレ2017、ARTISTS’ FAIR KYOTOなどでディレクターを務める。芸術経営に関する講演や対談多数。
https://www.metapolice.net/

キュレーター

curator

岡本太郎大賞やワタリウム美術館でのプロジェクト等、近年目覚ましく活躍する檜皮の最新作を大阪駅前にお披露目できることを感慨深く思う。自らの身体をモチーフに熱量高く創作物に投射してきた作風はより洗練され抽象度を増し、まるで水中に鎮座するピラミッドの如く神々しく輝いても見える。それはあらゆる価値観の多様性を訴える続ける檜皮の血と涙と愛の結晶のモニュメントでもあるのだ。多くの人が交差するこの場所に必然的に降り立った車椅子のモノリスを是非目撃してほしい。

Kenji Yanobe
Curator
ヤノベ ケンジ
Kenji Yanobe

1990年初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに実機能のある機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2005年、全長7.2mの《ジャイアント・トらやん》を制作。2008年以降、京都芸術大学ウルトラファクトリーで巨大彫刻の集団制作体制を確立。2011年、東日本大震災後、希望のモニュメント《サン・チャイルド》を制作し、国内外で巡回。3体のうち1体が茨木市(大阪)で恒久設置される。2017年、旅をして福を運ぶ、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2021年、最新作《SHIP’S CAT(Muse)》が2022年に開館した大阪中之島美術館に恒久設置され、注目を浴びている。
https://www.yanobe.com/

1990年初頭より、「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに実機能のある機械彫刻を制作。ユーモラスな形態に社会的メッセージを込めた作品群は国内外から評価が高い。2005年、全長7.2mの《ジャイアント・トらやん》を制作。2008年以降、京都芸術大学ウルトラファクトリーで巨大彫刻の集団制作体制を確立。2011年、東日本大震災後、希望のモニュメント《サン・チャイルド》を制作し、国内外で巡回。3体のうち1体が茨木市(大阪)で恒久設置される。2017年、旅をして福を運ぶ、旅の守り神《SHIP’S CAT》シリーズを制作開始。2021年、最新作 《SHIP’S CAT(Muse)》が2022年に開館した大阪中之島美術館に恒久設置され、注目を浴びている。
https://www.yanobe.com/

2022年、刻々と状況が変化しつづける世界に僕たちは居て、毎日を過ごすけど、なにはともあれ、心も身体も適度に動かした方が、なんだかすぅっと風が通った気がして、気持ちが楽ちんだ。「グランフロント大阪にヤバい壁画があるらしいで、ちょっと見に行ってみよか。」なんて、散歩するのもいいんじゃないか。リスペクトSENEKT、WHOLE9、ありがとう。

OHYAMA Koutaro
Curator
Mon Koutaro Ooyama
モン コウタロウ オオヤマ

Mon Koutaro Ooyama(本名:大山康太郎/1979年生)は、日本のアーティスト、音楽プロデューサー。兵庫県出生。奈良県出身。京都市立芸術大学美術学部卒。2001年、ライブペイントデュオ「DOPPEL」を結成し、ライブペイントシーンの黎明期からそのスタイルを確立してきた。2014年、取り壊し予定のビルを利用したアートプロジェクト「#BCTION」を企画し、アートディレクターを務める。 壁画・ライブペイント・インスタレーション・キャンバス制作や、アートプロジェクトの企画・監修・演出などで活動している。2020年より、ARTISTS’ FAIR KYOTOのアドバイザリーボードを務める。
https://www.instagram.com/mondotooo/

Mon Koutaro Ooyama(本名:大山康太郎/1979年生)は、日本のアーティスト、音楽プロデューサー。兵庫県出生。奈良県出身。京都市立芸術大学美術学部卒。2001年、ライブペイントデュオ「DOPPEL」を結成し、ライブペイントシーンの黎明期からそのスタイルを確立してきた。2014年、取り壊し予定のビルを利用したアートプロジェクト「#BCTION」を企画し、アートディレクターを務める。 壁画・ライブペイント・インスタレーション・キャンバス制作や、アートプロジェクトの企画・監修・演出などで活動している。2020年より、ARTISTS’ FAIR KYOTOのアドバイザリーボードを務める。
https://www.instagram.com/mondotooo/

インタビュー

interview

檜皮 一彦
檜皮 一彦 Interview

──アート作品の制作を始めたきっかけは

幼少期から、何かをしないとこの子は何もできないと、大人にそういう印象を抱かせてしまうと思っていました。何かをしないと、面白い話も振ってもらえない。そのため、何かしらアクションすることをずっと続けていて、アートに辿り着き、今に至ります。アートを始めたのは5年ほど前です。

──グランフロント大阪もしくはうめきたのイメージ

歩いて15分ほどのところに住んでいるので、地元であり、いつも利用している場所です。引っ越してきたときは大阪駅も古く、グランフロント大阪はまだなかったので、立派になっていくなという印象で、ずっと見ています。

──アートスクランブルに対する感想、参加いただいた理由

大阪出身・在住ですが、なぜか初の大阪展示で、是非にもと思い参加しました。美術館は美術を見に来る人ばかりなので、そうでない人との接点があまりないのですが、アートスクランブルはそこの風通しを良くする、ひとつのアプローチだなと思います。大阪は京都や東京に比べるとアートの取り組みが積みあがっていかないなと思いますが、アート分野は継続することによって厚みが出てくるので、是非継続してほしいです。

──今回の作品について

シリーズ≪hiwadrome≫の4作目になります。4番目のΔ(デルタ)。展示場所が水景で特殊な条件なので、水面への映り込みを考え、Δは水面に映ればダイヤ型にもなるなと思いました。

hiwa artwork1

──シリーズ≪hiwadrome≫の意味とこれまでの作品について

自身の名前とシンドローム(症候群)の造語です。また、dromeという言葉には、古い語源があり、進んでいくイメージも含まれています。(drome=走ること、走路)檜皮を完成させていく。誇大妄想狂の教祖とかロックミュージシャンのような立ち位置でデビューし、当時は非常に攻撃的でしたが、徐々に柔和になっています。

──車いすを使っている理由は

アートの世界でデビューするにあたり、ストーリーを作ろうと思いました。まずは実存主義的な存在として≪hiwadrome≫という造語をつくり、それにまつわるストーリーテリングとして、車いすを作品化することで、人生を駆動させていくぞという、人間の実存をかけた強いアプローチを設定しました。

hiwa artwork2

──何からインスピレーションを得るのか

人間は接種したエネルギーからしか何も出ない。日々色んなものをサンプリングしています。毎日考え、すべての経験がアート作品の為になっています。ただ気を付けないと趣味がなくなってくるので、今はアートに侵食されない領域を探しています(笑)。

──今後の活動について

これというのを固定せずにやっていきたいです。車いす担ぎの活動(車いすを担いで山に登る映像作品を制作するもの)を昨年末に初めたのですが、いろんな施設で実施したくアプローチしています。“檜皮といったらこれ”というのは強度ではありますが、作家としては弱点でもあります。なるべくカメレオンの様にやっていきたいですね。そのうち小説を書いているかも(笑)。

WHOLE9
WHOLE9 Interview

──ミューラルアートを描き始めたきっかけ、WHOLE9結成のきっかけは?

simo: WHOLE9を結成して15年目になりますが、もとは大学の友達でした。WHOLE9を始めたのがアーティストとして活動するきっかけで、ライブペイントというパフォーマンスをhitchが見つけてきて、面白そうだから一緒にやってみようという感じで最初は始めました。

hitch: 結成当時、ちょうどYoutubeジャパンがスタートし、ライブペイントの動画を見て、パフォーマンス的に大きな絵を描く仕事があると知りました。当時はライブペイントがクラブやイベントで描くようなパフォーマンス重視のものでしたが、徐々にミューラルアート(壁画)が国内でも浸透してきました。ライブペイントの経験で得た大きな絵を早く描く力を使いながら、時間制限がなく制作でき、且つ作品が残ることにやりがいを感じました。

──ユニットアーティストは初のご参加ですが、2人で1つの作品をつくることの面白さや難しさは

simo: 僕らは絵の中で担当を分けていて、hicthが人物や動植物といったリアルな具象担当、僕が全体のムードや抽象的なパートを描いています。はっきりと役割分担している分早く描けますが、お互いのイメージと違うなとなることも勿論あります。毎回2人で擦り合わせながら、完成まで持っていきます。

──何を描くかはどのように決めていますか

hitch: どちらかが核となるコンセプトを思いついて、それに肉付けしていくことが多いですね。ただ2人で描く以上、どちらもがそのコンセプトを理解し、共感することが大事です。それぞれが描きたいものを、まずは自分の中できちんと持つようにしています。

──グランフロント大阪、今回の展示場所はどのようなイメージでしたか

hitch: 実は以前通勤で3年程グランフロント大阪内を通っていました。遊び場というよりは仕事場、感度が高い方や就業者が多いイメージです。そういう場所に壁画があるのは良い意味で異質だと思います。他では街の景色と化してしまう壁画も、きちんと作品として見てもらえるのはグランフロント大阪ならではだと思います。美術館で見るのと、ストリートで見るのの間のような感じ。美術館よりも気兼ねなく見れて、一方で生活と切り離した特別な感じがするシチュエーションでもあります。

WHOLE9 artwork1

──今回の作品について

hitch: 今回、コンセプトは僕が考えました。描きたいものはいつも自分の中にあり、それを補強するような本や映像を見て、ビジュアルを組み立てています。今回のインスピレーションのもとはコロナ禍の閉塞感、抑圧された環境に対する思い。そんな中、モブラ(イトマキエイ)が空と海を飛ぶように大群で泳ぐ映像を見て、開放感を感じました。海と空は彼らにとって生と死の境界線ですが、それを無視して自由に泳いでいる様子にホッとした感覚もあり、またその境界線を気にせずにゆったり寝ている女性を描くことで、通りがかる方の気持ちにフィットするものがあるのではと思いました。

simo: 僕らにとって、このサイズで1週間という制作期間は長い方なので、その分何回もレイヤーを重ねて厚みのある画面をつくりました。レイヤーの重なりが層となって浮き上がる景色や、奥の層に隠れているタッチをじっくり見てもらえたら嬉しいなと思います。

WHOLE9 artwork4

──これまでの作品も動物や人物がモチーフとなっていますが

hitch: WHOLE9で描くときは、人物や動植物など、有機的なものを描くようにしています。メカや構造物は描かない。それがWHOLE9らしさでもあります。今回モブラを描く案もありましたが、人物を描くことで、見る人の感情をより動かせたらいいなと思いました。

WHOLE9 artwork2

──天気や時間によって作品の表情が変わることが壁画(屋外)の魅力でもあると思いますが、おすすめの時間帯は

hitch: 普段はどこから日が昇ってどこに落ちていくかを意識して描いていますが、今回はあまり考えていません。というのも、見てリラックスしてほしい作品なので、日の当たる時間帯よりも日が暮れてからの方が良いかもしれないですね。

simo: 逆に日が差している時間も良くて、ちょうど作品前の水景に日が当たり水面が照り返してくれるので、今回描いた情景とマッチしていると思います。

──グランフロント大阪で取り組んでみたいことは

hitch: コロナ禍が落ち着けば、ライブペイントのパフォーマンスなど人と交流する場を持ちたいです。また、高さのある壁画が面白いと思います。体感できるのが壁画の良さですが、横に長いより高さがある方が、良い意味で圧迫感があります。ナレッジプラザのバトンで吊り下げて、インパクトのある作品を展示してみたいです。

──今後の活動や抱負

simo: コロナ禍にWHOLE9で始めたプロジェクト’#CYC(Color Your Community)’です。クラウドファンディングで資金を募って、日本のどこかに大きな壁画を描いて街を明るくしていこうというものです。昨年末には東京の中野駅外壁に壁画を描く事ができ、今年の5月には大阪(四天王寺前夕陽が丘)で約2週間かけてビルの外壁に描きます。直近ではそれに力を入れたいですね。

hitch: 屋外の壁画でWHOLE9の作品を増やしていきたいです。壁画はたまたま見れるアートだと思っているので、たまたま通りがかった人の気持ちを少しでも動かせたらいいなと思います。

#CYC(Color Your Community)
https://camp-fire.jp/projects/view/296786

KENTA SENEKT
KENTA SENEKT Interview

──ミューラルアートを描くようになったきっかけは

ストリートアートがまだ日本では難しいという状況の中、先輩方がクラブでライブペイントをしていて、それを見て衝撃を受けました。根本には大きい画面に描きたいという想いがあり、20歳頃からライブペイントの活動を始めました。24歳でオーストラリアに行き、向こうのストリートアートシーンに刺激をもらって、そこから壁を探して描き始めました。

──海外に拠点を移されて、描くものは変わりましたか

変わりましたね。日本にいるときは抽象的な作品を描いていましたが、オーストラリアに行き、人物など具象の作品を描くようになりました。抽象的な作品は、頭で理解できるものではなく、日本人的な考えですがアートから何かを感じるというのが表現のベースにありました。海外に行き、あまり英語も話せず、仮に伝えようとしても、そういった考え方はなかなか伝わらない。わかりやすく伝えようと思い、人間のパーツなどを描くようになりました。

──海外(オーストラリア)と日本のミューラルアートについて、一番大きな違いは

グラフィティ、ストリートアートの受け入れ具合、間口の広さが明らかに違います。街中にグラフィティがあり、みんなが壁に落書きをして、その上からストリートアーティストが描くこともあります。さらにグラフィティがその上から描かれたり。現地で名前が通っているアーティストであっても、プロップス(支持・評価)がないと上から描かれることもあります。ただそれによって壁や街がアップデートされ、街の景色がランダムに更新されていきます。

──グランフロント大阪(アートスクランブル)について

日本に帰ってきて2年ほどですが、うめきたエリアには明らかに新しくいろんなものが出来ています。そんな中に作品を残せるのは嬉しいです。アートスクランブルは半年に1回作品が更新される、良い企画だと思います。この場所に来ると変わっていく作品を見ることができるので、人々に刺激を与えていると思います。是非続けてほしいです。

KENTA SENEKT artwork1

──今回の作品について

抽象的ですが、描いているものはグランフロント大阪にあった自分が好きなパーツです。普段気づかない場所から何か発見できないかと思い、グランフロント大阪内で写真を撮り、それを組み合わせました。向かって左側は南館入口のファサード、右側は北館のインターコンチネンタルホテルの入り口のドアを撮影した写真をもとに描きました。

──タイトルに込められた想いは

狭い(tiny)自分たちの限られた机(desk)の上で表現できること、みたいなものがコロナを機に良いタイトルかなと。 海外から戻ってきて日本を見る視点と、コロナ禍の限られた視点、自分の経験から何か発見出来るのではないかと思いました。色んな事に制限がかかっている今、狭い(tiny)机(desk)でどれだけ楽しめるかという想いを込めました。

──何を描くか、インスピレーションのもとは

場所や環境によって思考も変わります。海外に行った時に、現地の人たちは気にもしないような場所が、自分たちにはすごく新鮮で刺激的に見えることがありました。その逆で、日本に帰ってきて、気にもしていなかったところがなんか好きだなと思うことがあり、写真を撮り始めました。同時にコロナが来て、見る角度を変えたらもっと身近に気付けることがあるのではないかと思いました。写真をランダムに組み合わせたり色を変えたり、ひと手間加えることで違う視点でみることができ、次に進めるのではと思いました。

──今後の活動や抱負

日本に帰ってきて1度もできていないので、大きな展示会をやりたいですね。造形物もつくるので、パブリックな造形アートにも興味があります。